「私は、あなたも私と同じものを感じているのかどうか、確かめたい」
「直江」
「例えそこが天国でも、ひとりでいるのなら意味が無いでしょう?」
直江の手が、高耶の胸にあてられた。
「あなたの中に私がいることを確かめたい」
「……いる」
「本当に?」
高耶は肯定の意味で、直江を見つめた。
「私は、あなたさえいれば地獄でもいい」
瞳を閉じた直江が、高耶の身体を引き寄せる。
高耶も同じように、目を閉じた。
「……おまえといれば、地獄も天国になる」
「高耶さん……」
直江の腕に抱かれながら、高耶は強く想った。
(今おまえがいなくなれば、きっとここは地獄になる……)
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