◆ 天国 03 ◆
2010年05月27日 (木)
ただ向き合っているだけなのに、心拍数が異常に上がってしまい、乱れる呼吸を整えるのがやっとだ。
「嫌なら、止めましょう」
身体を硬くしている高耶に、直江は言う。
「焦るつもりはありませんから」
けれど高耶が、
「───おまえこそ、嫌ならいいんだぜ」
精一杯の虚勢を張ると、直江は笑った。
「笑うなよ」
「強がらないで」
「……強がりだけで、こんなことしない」
それを聞いた直江は、真顔になった。
「前言撤回します」
「?」
「あなたが嫌でも、止められそうにない」
直江の指が、高耶のボタンを外していく。
「これ以上、好きにさせないで」
「別にオレは……何もしてない」
「していますよ」
見下ろしてくる瞳が、熱い。
「だから今だけ、大人しくしていて」
耳元で、そう囁かれる。
それは、出会ってから今までの中で、一番甘い声だった。
「嫌なら、止めましょう」
身体を硬くしている高耶に、直江は言う。
「焦るつもりはありませんから」
けれど高耶が、
「───おまえこそ、嫌ならいいんだぜ」
精一杯の虚勢を張ると、直江は笑った。
「笑うなよ」
「強がらないで」
「……強がりだけで、こんなことしない」
それを聞いた直江は、真顔になった。
「前言撤回します」
「?」
「あなたが嫌でも、止められそうにない」
直江の指が、高耶のボタンを外していく。
「これ以上、好きにさせないで」
「別にオレは……何もしてない」
「していますよ」
見下ろしてくる瞳が、熱い。
「だから今だけ、大人しくしていて」
耳元で、そう囁かれる。
それは、出会ってから今までの中で、一番甘い声だった。
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