◆ お弁当Ⅱ 01 ◆
2010年04月30日 (金)
今日も高耶はお弁当を作って持ってきた。
喜びを隠さない直江を諌めつつ、屋上へとあがる。
前と同じように毛布を取り出した直江は、それを広げると自分だけ羽織った。
「毛布がひとつしかなかったんです。一緒に入ります?」
「………え?」
片方の手だけ、羽を広げるようにして誘われて、高耶が思わず本気で驚いていると、
「あなたが使ってください」
直江は羽織っていた毛布を、苦笑いで手渡してきた。
「……お前が寒いだろ」
「今日はいつもより、暖かいですから」
それよりも早く、と直江は急かしてくる。
「おう」
おかずだって、おにぎりの具だって、前回とはちゃんと変えた。
直江は絶対、おいしいって食べてくれる。
「どうぞ」
───そして案の定、弁当箱はあっという間に空になった。
喜びを隠さない直江を諌めつつ、屋上へとあがる。
前と同じように毛布を取り出した直江は、それを広げると自分だけ羽織った。
「毛布がひとつしかなかったんです。一緒に入ります?」
「………え?」
片方の手だけ、羽を広げるようにして誘われて、高耶が思わず本気で驚いていると、
「あなたが使ってください」
直江は羽織っていた毛布を、苦笑いで手渡してきた。
「……お前が寒いだろ」
「今日はいつもより、暖かいですから」
それよりも早く、と直江は急かしてくる。
「おう」
おかずだって、おにぎりの具だって、前回とはちゃんと変えた。
直江は絶対、おいしいって食べてくれる。
「どうぞ」
───そして案の定、弁当箱はあっという間に空になった。
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