◆ エレベーター ◆
2010年03月18日 (木)
更衣室の隣には休憩室がある。
そこには、このビルでの仕事が終わって次の仕事場へ向かうために待機しているパートの主婦達がいた。
「お疲れさまでーす」
その大先輩方に挨拶をして、階下へ向かうエレベーターへ乗り込むと、たぶん上の階にある警備員用の待機室から降りてきた直江と、ちょうど乗り合わせた。
いつもの警備服ではなく、濃紺のスーツ姿だ。
帰るところらしい。
「お疲れ様です」
そう言いながら目で降りる階数を聞いてくる。
「1階」
「電車ですか?」
「ビンボー学生だからな」
直江の手元を覗き込むと、地下駐車場のボタンが押されていた。
「おまえは車?」
「ええ」
「何乗ってんの?」
「秘密です」
「……何でだよ」
そうこう言っているうちに、エレベーターは1階へと到着した。
「じゃあな」
「ええ、また明日」
「おう」
挨拶を済ませた高耶はそのまま従業員用の通用口から出て、駅へ向かう途中にふと立ち止まる。
(また明日、か……)
直江と会うことが、自分の生活の一部になったように思えた。
そこには、このビルでの仕事が終わって次の仕事場へ向かうために待機しているパートの主婦達がいた。
「お疲れさまでーす」
その大先輩方に挨拶をして、階下へ向かうエレベーターへ乗り込むと、たぶん上の階にある警備員用の待機室から降りてきた直江と、ちょうど乗り合わせた。
いつもの警備服ではなく、濃紺のスーツ姿だ。
帰るところらしい。
「お疲れ様です」
そう言いながら目で降りる階数を聞いてくる。
「1階」
「電車ですか?」
「ビンボー学生だからな」
直江の手元を覗き込むと、地下駐車場のボタンが押されていた。
「おまえは車?」
「ええ」
「何乗ってんの?」
「秘密です」
「……何でだよ」
そうこう言っているうちに、エレベーターは1階へと到着した。
「じゃあな」
「ええ、また明日」
「おう」
挨拶を済ませた高耶はそのまま従業員用の通用口から出て、駅へ向かう途中にふと立ち止まる。
(また明日、か……)
直江と会うことが、自分の生活の一部になったように思えた。
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