◆ 襟 02 ◆
2010年03月19日 (金)
「今日はきちんとしてますね」
直江に言われて、そりゃそうだ、と思った。
襟を直されたあの日から、ちゃんと鏡でチェックするようにしている。
「顔も洗ってある」
そう言われて照れ隠しに睨みつけると、長い腕をすっと伸ばして帽子を取り上げられた。
「おいっ!」
「寝癖、出勤のときに目立ってましたよ」
後頭部を指差されて触ってみると、確かに見事に逆毛に立っている。
更衣室に入るまでの間に、目撃されてしまったようだ。
「帽子被っときゃ直るんだよっ」
そう言って帽子をひったくると、ぎゅっと頭をねじ込んだ。
「ほら、仕事中だぞ。私語厳禁!」
高耶が人差し指を突きつけると直江は、あなたがいけないんですよ、と人のせいにしてきた。
「あなたが、話しかけたくなるような顔をしてるから」
「───からかいたくなる、の間違いだろ」
「そうとも言います」
「………ったく」
高耶は舌打ちをしながら、直江を追い払った。
直江に言われて、そりゃそうだ、と思った。
襟を直されたあの日から、ちゃんと鏡でチェックするようにしている。
「顔も洗ってある」
そう言われて照れ隠しに睨みつけると、長い腕をすっと伸ばして帽子を取り上げられた。
「おいっ!」
「寝癖、出勤のときに目立ってましたよ」
後頭部を指差されて触ってみると、確かに見事に逆毛に立っている。
更衣室に入るまでの間に、目撃されてしまったようだ。
「帽子被っときゃ直るんだよっ」
そう言って帽子をひったくると、ぎゅっと頭をねじ込んだ。
「ほら、仕事中だぞ。私語厳禁!」
高耶が人差し指を突きつけると直江は、あなたがいけないんですよ、と人のせいにしてきた。
「あなたが、話しかけたくなるような顔をしてるから」
「───からかいたくなる、の間違いだろ」
「そうとも言います」
「………ったく」
高耶は舌打ちをしながら、直江を追い払った。
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