授業終りに携帯の着信に気付いて、かけ直してみると直江からだった。
大学の近くにいるから、会いたいという。
うんといったら、本当にものの数分でやってきた。
「どうしても顔が見たくなったので」
正面入り口に車をつけるものだから、通る生徒たちの視線が痛い。
「授業、何時までですか」
「今日はもうねえけど」
「夜のバイトもない日でしょう?」
「……それ、言い方がいかがわしい」
高耶の言葉に直江は笑いながら、
「夕飯でも、どうですか」
「……じゃあ、行きたいとこがあんだけど」
そう切り出した高耶に、直江は助手席の扉を開けた。
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