◆ 夕飯 04 ◆
2010年05月07日 (金)
「きっと、大きな翼なんでしょうね」
直江の言葉に、酔っているつもりはなかったけど、普段なら言わないようなことをポロリと言ってしまった。
「お前にもあるぜ?」
とても大きくて、力強い翼。
「オレには見える」
「高耶さん」
けれどもそれは、小さくたたまれて、窮屈そうに見える。
「おまえの羽は飛びたがってる。なのに押さえつけてるんだろ」
「………そんなこと」
「別に隠す必要なんかない」
高耶には、その気持ちが痛いほどわかった。
飛ぶときは、誰しもが独りだ。
巣から飛び立ってしまえば、家族とも一緒にいられない。
家業を手伝う直江は、きっと優しすぎるのだと、高耶は思った。
直江の言葉に、酔っているつもりはなかったけど、普段なら言わないようなことをポロリと言ってしまった。
「お前にもあるぜ?」
とても大きくて、力強い翼。
「オレには見える」
「高耶さん」
けれどもそれは、小さくたたまれて、窮屈そうに見える。
「おまえの羽は飛びたがってる。なのに押さえつけてるんだろ」
「………そんなこと」
「別に隠す必要なんかない」
高耶には、その気持ちが痛いほどわかった。
飛ぶときは、誰しもが独りだ。
巣から飛び立ってしまえば、家族とも一緒にいられない。
家業を手伝う直江は、きっと優しすぎるのだと、高耶は思った。
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