◆ 夕飯 05 ◆
2010年05月08日 (土)
「妹さんがいるんでしたね」
高耶の表情を見つめていた直江は、不意にそう言った。
「……妹は母親に捨てられて、オレにも置いていかれたんだ」
「家に帰ってない訳じゃあないんでしょう?」
「そうだけど」
置き去りにしたことには間違いない。
「そうまでして、飛び立ちたかった?」
「……そうだな」
「じゃあいつか、私も置いていってしまうんですね」
しんみりという直江に、高耶は顔をあげた。
「おまえも、飛んでついてこいよ」
「……追い越しますよ」
「じょーだん」
高耶が笑っていると、
「あなたとなら、天上までも飛んでいけそうだ」
そっと呟いた直江の言葉に、高耶は聞こえない振りをした。
高耶の表情を見つめていた直江は、不意にそう言った。
「……妹は母親に捨てられて、オレにも置いていかれたんだ」
「家に帰ってない訳じゃあないんでしょう?」
「そうだけど」
置き去りにしたことには間違いない。
「そうまでして、飛び立ちたかった?」
「……そうだな」
「じゃあいつか、私も置いていってしまうんですね」
しんみりという直江に、高耶は顔をあげた。
「おまえも、飛んでついてこいよ」
「……追い越しますよ」
「じょーだん」
高耶が笑っていると、
「あなたとなら、天上までも飛んでいけそうだ」
そっと呟いた直江の言葉に、高耶は聞こえない振りをした。
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