◆ 夕飯 07 ◆
2010年05月10日 (月)
遅い時間の食料品店には、一人暮らしの若者や仕事帰りのサラリーマンの姿が多い。
スーツ姿の直江はその光景に馴染んでもおかしくはないのに、何故か浮いてみえた。
所作に、こういった場所に来なれてない感が表れてしまうからだろうか。
特設コーナーの特売品を楽しげに眺めている直江を、高耶は遠巻きに眺めてみた。
たぶん、あの容姿と高級そうなスーツがいけない。
学生らしき女の子二人組が、特売品を手にとりつつもちらちらと直江のほうを見ている。
「直江」
高耶が声をかけると、直江はすぐにこちらにやってきた。
「いいもの、ありました?」
「ああ。買ってくる」
「いいですよ。私が」
「いいから。これくらい、自分で払える」
強引に買い物カゴを奪おうとするから、ちょっと怒ったふりで言うと、
「……じゃあ、ごちそうになります」
直江は嬉しそうに手を引いた。
スーツ姿の直江はその光景に馴染んでもおかしくはないのに、何故か浮いてみえた。
所作に、こういった場所に来なれてない感が表れてしまうからだろうか。
特設コーナーの特売品を楽しげに眺めている直江を、高耶は遠巻きに眺めてみた。
たぶん、あの容姿と高級そうなスーツがいけない。
学生らしき女の子二人組が、特売品を手にとりつつもちらちらと直江のほうを見ている。
「直江」
高耶が声をかけると、直江はすぐにこちらにやってきた。
「いいもの、ありました?」
「ああ。買ってくる」
「いいですよ。私が」
「いいから。これくらい、自分で払える」
強引に買い物カゴを奪おうとするから、ちょっと怒ったふりで言うと、
「……じゃあ、ごちそうになります」
直江は嬉しそうに手を引いた。
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