◆ 夕飯 09 ◆
2010年05月12日 (水)
髪を、撫でられている感じがした。
大きな掌が、ゆっくりゆっくりと動いている。
きっと遠い昔、母親はこんな風に自分の頭を撫でてくれたのだろうと思う。
高耶にその記憶は無かったが。
ぱちっと目を開けると───。
「………おはようございます」
そこは直江の膝の上だった。
ついさっきまで楽しく喋っていたはずなのに、気付かないうちに眠ってしまったようだ。
「私が移動させたんじゃありませんよ。あなたが勝手に自分で来たんです」
言い訳をする直江を笑って、高耶はもう一度目を瞑った。
その場所は、怖いくらいに居心地がよかった。
ずっと夢に見てた場所は、ここかもしれないと思った。
大きな掌が、ゆっくりゆっくりと動いている。
きっと遠い昔、母親はこんな風に自分の頭を撫でてくれたのだろうと思う。
高耶にその記憶は無かったが。
ぱちっと目を開けると───。
「………おはようございます」
そこは直江の膝の上だった。
ついさっきまで楽しく喋っていたはずなのに、気付かないうちに眠ってしまったようだ。
「私が移動させたんじゃありませんよ。あなたが勝手に自分で来たんです」
言い訳をする直江を笑って、高耶はもう一度目を瞑った。
その場所は、怖いくらいに居心地がよかった。
ずっと夢に見てた場所は、ここかもしれないと思った。
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