◆ 《事件Ⅱ 03》 ◆
2010年05月17日 (月)
「いや、探偵ごっこ、かな」
先程言った"警備員ごっこ"をそう言いなおした高耶の友人は、眼鏡を指でクイと持ち上げた。
「犯人、見つかった?」
「………一体、何者だ」
ひとりよがりの感情を押しつけられることには慣れているつもりだったが、ここまで不躾な人間は滅多にいない。
しかもかなり機密度の高い内輪の情報まで持っているようだ。
「そうだな、あんたの親父さんに恨みのある人間、ってとこかな」
「───千秋っ!!」
高耶が悲鳴のような声をあげる。
「いい加減にしろよッ!」
「……お前は、黙ってろよ」
そう言いながら、眼鏡の男はズボンのポケットから何かを取り出した。
「仕方ねえ、計画変更だ」
顔をあげた男の眼は、明らかに尋常ではない。
「あんたの親父さんに、大切な家族を殺される気持ち、味わって貰うとするか」
男の手の中で、折りたたみ式ナイフの刃がきらりと光った。
先程言った"警備員ごっこ"をそう言いなおした高耶の友人は、眼鏡を指でクイと持ち上げた。
「犯人、見つかった?」
「………一体、何者だ」
ひとりよがりの感情を押しつけられることには慣れているつもりだったが、ここまで不躾な人間は滅多にいない。
しかもかなり機密度の高い内輪の情報まで持っているようだ。
「そうだな、あんたの親父さんに恨みのある人間、ってとこかな」
「───千秋っ!!」
高耶が悲鳴のような声をあげる。
「いい加減にしろよッ!」
「……お前は、黙ってろよ」
そう言いながら、眼鏡の男はズボンのポケットから何かを取り出した。
「仕方ねえ、計画変更だ」
顔をあげた男の眼は、明らかに尋常ではない。
「あんたの親父さんに、大切な家族を殺される気持ち、味わって貰うとするか」
男の手の中で、折りたたみ式ナイフの刃がきらりと光った。
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