◆ 《事件Ⅱ 05》 ◆
2010年05月19日 (水)
高耶だけは守らないといけない。
その一念で、直江の頭からは護身術の全てが消え去ってしまったようだ。
気がつくと高耶を後ろに庇い、身を呈していた。
「なおえっ!!」
橘ですよ、と思いながら向かってきた男を体で受け止める。
ドスンっ
身体がぶつかる音とともに、腹に鋭い痛みが走った。
何とか急所は外せたようだ。
「くそっ……!」
致命傷にはならないことがわかったのか、男は刃を抜きさって再び刺そうとする。
その男を身体ごと引き寄せて、それ以上動けないように抑え込んだ。
「おいっ!どうしたっ!」
早朝のビル街ではあったが、さすがに人が集まって来る。
直江の視界の隅に若い部下の顔が入った。
きっとまた、余計な報告が父の元へ行ってしまうだろう。
切羽詰った状況下で、直江は脳裏には関係ないことばかりが浮かんできた。
その一念で、直江の頭からは護身術の全てが消え去ってしまったようだ。
気がつくと高耶を後ろに庇い、身を呈していた。
「なおえっ!!」
橘ですよ、と思いながら向かってきた男を体で受け止める。
ドスンっ
身体がぶつかる音とともに、腹に鋭い痛みが走った。
何とか急所は外せたようだ。
「くそっ……!」
致命傷にはならないことがわかったのか、男は刃を抜きさって再び刺そうとする。
その男を身体ごと引き寄せて、それ以上動けないように抑え込んだ。
「おいっ!どうしたっ!」
早朝のビル街ではあったが、さすがに人が集まって来る。
直江の視界の隅に若い部下の顔が入った。
きっとまた、余計な報告が父の元へ行ってしまうだろう。
切羽詰った状況下で、直江は脳裏には関係ないことばかりが浮かんできた。
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