◆ 事件 04 ◆
2010年03月29日 (月)
結局その日は警察の聴取やら何やらで、昼近くまで時間をとられてしまった。
帰り際、夜勤明けだというのに居残って各方面への対応に追われていた直江は、ビルの外まで見送りに出てきてくれた。
「大丈夫ですか」
そういう直江のほうこそ、ひどく疲れた顔をしている。
どうやら寝不足のせいだけではなさそうだ。
「おまえこそ、大丈夫かよ」
「……緊張しました。ものすごく」
「見ててわかった」
高耶が頷きながら言うと、
「あなたのほうが冷静でしたね」
そこでやっと、直江は笑顔になった。
「そんなことないけど……。そんなやばいものだったのか、アレ」
「いいえ。どこででも手に入る、引火性の薬品だそうです」
「そっか」
「向かいのビルの件と、同一犯かもしれませんね」
え?そうなの?と問い返す高耶に、それより、と直江は向き直った。
「今後は、少しでもおかしなことがあったら、すぐに私を呼ぶようにしてください。今回のように、ひとりで解決しようとは絶対に思わないこと」
約束してくれますか、と問う直江に、
「………わかった」
高耶は大きく頷いた。
帰り際、夜勤明けだというのに居残って各方面への対応に追われていた直江は、ビルの外まで見送りに出てきてくれた。
「大丈夫ですか」
そういう直江のほうこそ、ひどく疲れた顔をしている。
どうやら寝不足のせいだけではなさそうだ。
「おまえこそ、大丈夫かよ」
「……緊張しました。ものすごく」
「見ててわかった」
高耶が頷きながら言うと、
「あなたのほうが冷静でしたね」
そこでやっと、直江は笑顔になった。
「そんなことないけど……。そんなやばいものだったのか、アレ」
「いいえ。どこででも手に入る、引火性の薬品だそうです」
「そっか」
「向かいのビルの件と、同一犯かもしれませんね」
え?そうなの?と問い返す高耶に、それより、と直江は向き直った。
「今後は、少しでもおかしなことがあったら、すぐに私を呼ぶようにしてください。今回のように、ひとりで解決しようとは絶対に思わないこと」
約束してくれますか、と問う直江に、
「………わかった」
高耶は大きく頷いた。
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