◆ 侵入者 03 ◆
2010年04月04日 (日)
直江の仕事は早かった。
息を切らした高耶が駆けつけると、不審者は既に取り押さえられた後で、項垂れるようにして座り込んでいた。
その顔をみて、高耶は更に驚いた。
「おまえ……」
その男は、高耶と同じに千秋の紹介を受けてバイトを始めた、フリーターの男だったのだ。
「何でこんなこと……」
その質問には男ではなく、直江が答えた。
「インターネットで、この会社の情報を高く買うからと雇われたようですね」
消費者金融の借金が膨れ上がり、どうにも困って実行したらしい。
やがてやってきた警察に男を引き渡した後で、直江と若い警備員が低い声で交わす会話を、高耶は聞いてしまった。
「あの男だと思いますか?」
「いや、恐らく違うだろう」
「なら、ネットで雇った人間の可能性は」
「大いにあるな。お前はしばらくそっちの線であたってみてくれ」
「わかりました」
聞きながら高耶は、問い質す決意を固めていた。
直江の、正体について。
息を切らした高耶が駆けつけると、不審者は既に取り押さえられた後で、項垂れるようにして座り込んでいた。
その顔をみて、高耶は更に驚いた。
「おまえ……」
その男は、高耶と同じに千秋の紹介を受けてバイトを始めた、フリーターの男だったのだ。
「何でこんなこと……」
その質問には男ではなく、直江が答えた。
「インターネットで、この会社の情報を高く買うからと雇われたようですね」
消費者金融の借金が膨れ上がり、どうにも困って実行したらしい。
やがてやってきた警察に男を引き渡した後で、直江と若い警備員が低い声で交わす会話を、高耶は聞いてしまった。
「あの男だと思いますか?」
「いや、恐らく違うだろう」
「なら、ネットで雇った人間の可能性は」
「大いにあるな。お前はしばらくそっちの線であたってみてくれ」
「わかりました」
聞きながら高耶は、問い質す決意を固めていた。
直江の、正体について。
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