◆ 再会 ◆
2010年03月10日 (水)
幽霊事件(?)から早一ヶ月。
高耶はすっかりアルバイトに慣れきっていた。
「お疲れ様です」
いつもの時間に、いつもの巡回警備。
いつもの警備員さんに挨拶をしようと顔を上げて、高耶は声をあげた。
「ああああ!ナオエっ!」
何故か警備員の制服を着た直江は、高耶の大声に苦笑いになった。
「名前、覚えててくれたんですね。けれどちょっと事情がありまして、今は橘になりました」
「……は?」
胸のプレートを見てみると。
(下の名前まで違うじゃねーか)
義明なんて普通の名前じゃなかった。
もっと昔っぽい名前だったはずだ。
(………怪しすぎる)
高耶のあからさまな視線を受け止めながら、直江は真顔に戻って言った。
「今はすべてを話せない事情があるんです。ですが、私の本名や以前に私と会ったことは、誰にも言わないでもらえませんか?」
もちろん強要ではないし、法的な権限があるわけでもない、と直江は言った。
「ですが、私は逃げも隠れもしません。どうしても訊きたい事があれば、私に直接言ってもらえれば結構ですから」
名刺を取り出した直江は、携帯の番号を書いて渡してきた。
「………わかった」
あまり納得はいかなかったが、何がなんだかわからない状況に、とりあえず頷くしかなかった。
高耶はすっかりアルバイトに慣れきっていた。
「お疲れ様です」
いつもの時間に、いつもの巡回警備。
いつもの警備員さんに挨拶をしようと顔を上げて、高耶は声をあげた。
「ああああ!ナオエっ!」
何故か警備員の制服を着た直江は、高耶の大声に苦笑いになった。
「名前、覚えててくれたんですね。けれどちょっと事情がありまして、今は橘になりました」
「……は?」
胸のプレートを見てみると。
(下の名前まで違うじゃねーか)
義明なんて普通の名前じゃなかった。
もっと昔っぽい名前だったはずだ。
(………怪しすぎる)
高耶のあからさまな視線を受け止めながら、直江は真顔に戻って言った。
「今はすべてを話せない事情があるんです。ですが、私の本名や以前に私と会ったことは、誰にも言わないでもらえませんか?」
もちろん強要ではないし、法的な権限があるわけでもない、と直江は言った。
「ですが、私は逃げも隠れもしません。どうしても訊きたい事があれば、私に直接言ってもらえれば結構ですから」
名刺を取り出した直江は、携帯の番号を書いて渡してきた。
「………わかった」
あまり納得はいかなかったが、何がなんだかわからない状況に、とりあえず頷くしかなかった。
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