◆ 幽霊 03 ◆
2010年03月09日 (火)
「え?8階で社員と会った?」
かなり長く仕事を続けていた千秋も、そんな経験はなかったという。
トイレから出てきたというところが怪しい、と千秋は言った。
「本物なんじゃねーの?」
千秋は両手を胸の前でたらす。
「やめろって……」
幽霊にしてはさっぱりとした出で立ちだったが、もしかしたら本物の幽霊というのはそういうものなのだろうか。
「警備に聞けば、残業届けが出てたか教えてくれんじゃねえかな」
「……それを早く言えって」
翌日、早速警備室に行ってみると、そこにいた警備員が親切に調べてくれた。
「8階に残業社員はいなかったようですよ。早出の記録もないしなあ」
(……じゃあ、あれは?ホンモノ……?)
以来、トイレ掃除の間中ずっと緊張しっぱなしだった高耶だったが、一ヶ月も経つ頃にはすっかり慣れて、忘れてしまっていた。
かなり長く仕事を続けていた千秋も、そんな経験はなかったという。
トイレから出てきたというところが怪しい、と千秋は言った。
「本物なんじゃねーの?」
千秋は両手を胸の前でたらす。
「やめろって……」
幽霊にしてはさっぱりとした出で立ちだったが、もしかしたら本物の幽霊というのはそういうものなのだろうか。
「警備に聞けば、残業届けが出てたか教えてくれんじゃねえかな」
「……それを早く言えって」
翌日、早速警備室に行ってみると、そこにいた警備員が親切に調べてくれた。
「8階に残業社員はいなかったようですよ。早出の記録もないしなあ」
(……じゃあ、あれは?ホンモノ……?)
以来、トイレ掃除の間中ずっと緊張しっぱなしだった高耶だったが、一ヶ月も経つ頃にはすっかり慣れて、忘れてしまっていた。
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