◆ 弁当 02 ◆
2010年04月25日 (日)
「寒みぃ!」
外に出るなり高耶が叫ぶと、
「だと思って」
直江は高耶に防寒毛布を手渡した。
ふたりはそれぞれ毛布に包まって、段差のところに腰掛ける。
蓋を開けると、握り飯とともにかなり整った料理が並んでいた。
感動しきりの直江に早く食べるよう促して、高耶が自分からすすんで食べだすと、あっという間に弁当箱は空になる。
「上手なんですね、料理」
かなり満足げな直江がそう話しかけると、
「好きでうまくなったわけじゃないけどな」
照れ隠しの高耶は肩をすくめた。
「また作ってくれますか」
「いいけど……」
正直、そんなに喜ばれるとは思っていなかった高耶は戸惑い気味に、
「気が向いたら」
と付け加える。
すると、
「手作り弁当なんて初めて食べたといったら、信じてくれますか?」
直江があり得ないことを言ってきた。
「んなわけねーだろ」
一蹴した高耶だったが、直江は真顔のままだ。
「……まじ?」
「ええ、"まじ"ですよ」
直江は高耶の口調を真似て、そう返した。
外に出るなり高耶が叫ぶと、
「だと思って」
直江は高耶に防寒毛布を手渡した。
ふたりはそれぞれ毛布に包まって、段差のところに腰掛ける。
蓋を開けると、握り飯とともにかなり整った料理が並んでいた。
感動しきりの直江に早く食べるよう促して、高耶が自分からすすんで食べだすと、あっという間に弁当箱は空になる。
「上手なんですね、料理」
かなり満足げな直江がそう話しかけると、
「好きでうまくなったわけじゃないけどな」
照れ隠しの高耶は肩をすくめた。
「また作ってくれますか」
「いいけど……」
正直、そんなに喜ばれるとは思っていなかった高耶は戸惑い気味に、
「気が向いたら」
と付け加える。
すると、
「手作り弁当なんて初めて食べたといったら、信じてくれますか?」
直江があり得ないことを言ってきた。
「んなわけねーだろ」
一蹴した高耶だったが、直江は真顔のままだ。
「……まじ?」
「ええ、"まじ"ですよ」
直江は高耶の口調を真似て、そう返した。
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