◆ 質問 ◆
2010年03月23日 (火)
「じゃあ進学と同時に上京して」
「そう」
「実家はどこです?」
「松本」
ああ、と直江は頷いた。
「いいところですね」
「行ったことあんの?」
「ええ」
「城以外、何もないとこだったろ」
「そんなことありません」
直江は穏やかに首を振る。
「良さというのは、近すぎるとみえないものですから。ご家族は皆そちらに?」
「父親と妹が」
「そうですか」
今日の直江は妙に質問が多い。
高耶は少しだけ、不審に思った。
「何?身辺調査?」
「いいえ。私的な興味です」
「ふうん」
本音を見せない直江に、高耶は不満が募る。
「お前のことも話せよ」
「おや、私に興味がありますか」
「───……」
黙りこむ高耶に、直江は笑った。
「いいですよ。何が聞きたいですか」
「正体」
「それは秘密です」
「……馬鹿にしてんだろ」
「いいえ」
本当は、隠すほどのものでもないんです、と直江は口止めされているようなニュアンスで話した。
「なんにしても、いずれ必ず話します。信じてもらえませんか」
直江に真顔で言われて、高耶は頷くしかなかった。
「そう」
「実家はどこです?」
「松本」
ああ、と直江は頷いた。
「いいところですね」
「行ったことあんの?」
「ええ」
「城以外、何もないとこだったろ」
「そんなことありません」
直江は穏やかに首を振る。
「良さというのは、近すぎるとみえないものですから。ご家族は皆そちらに?」
「父親と妹が」
「そうですか」
今日の直江は妙に質問が多い。
高耶は少しだけ、不審に思った。
「何?身辺調査?」
「いいえ。私的な興味です」
「ふうん」
本音を見せない直江に、高耶は不満が募る。
「お前のことも話せよ」
「おや、私に興味がありますか」
「───……」
黙りこむ高耶に、直江は笑った。
「いいですよ。何が聞きたいですか」
「正体」
「それは秘密です」
「……馬鹿にしてんだろ」
「いいえ」
本当は、隠すほどのものでもないんです、と直江は口止めされているようなニュアンスで話した。
「なんにしても、いずれ必ず話します。信じてもらえませんか」
直江に真顔で言われて、高耶は頷くしかなかった。
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