◆ 限定 01 ◆
2010年03月24日 (水)
「木曜?困ったなあ~。その日は俺、他の現場にいかなきゃならないからなあ~」
松本にどうしても戻らなくてはならない用事が出来て休みを願い出た高耶は、上司に渋られて困ってしまった。
「他のひとに頼めないんですか」
「"8階は男で"って言われてるからなあ。パートの人達には頼めないし。土日の子に当たってみてもいいけど……他の日にずらせない?」
「……じゃあ金曜で」
「オッケー、金曜ならいいよ」
(男限定?)
そんなのは始めて聞いた。
(どうしてだろう?)
他の階に比べて重労働というわけでもない。
高耶が脳内に疑問符が浮かべながら仕事をしていると、直江がやってきた。
「休み、とれました?」
昨日、休みを取りたいから仕事の前に話してみると言ったことを覚えていたらしい。
けれど高耶はその質問には答えなかった。
「どうして、男限定なんだ」
「男限定?」
「この階の担当」
「……何故、私に聞くんです」
確かに高耶の所属する清掃業者と直江の所属する警備会社は同じグループ企業ではあるが、別会社だ。
「おまえなら、知ってんだろ」
「…………」
直江は、すぐには言葉を返さなかった。
やはり、何かを知っているらしい。
松本にどうしても戻らなくてはならない用事が出来て休みを願い出た高耶は、上司に渋られて困ってしまった。
「他のひとに頼めないんですか」
「"8階は男で"って言われてるからなあ。パートの人達には頼めないし。土日の子に当たってみてもいいけど……他の日にずらせない?」
「……じゃあ金曜で」
「オッケー、金曜ならいいよ」
(男限定?)
そんなのは始めて聞いた。
(どうしてだろう?)
他の階に比べて重労働というわけでもない。
高耶が脳内に疑問符が浮かべながら仕事をしていると、直江がやってきた。
「休み、とれました?」
昨日、休みを取りたいから仕事の前に話してみると言ったことを覚えていたらしい。
けれど高耶はその質問には答えなかった。
「どうして、男限定なんだ」
「男限定?」
「この階の担当」
「……何故、私に聞くんです」
確かに高耶の所属する清掃業者と直江の所属する警備会社は同じグループ企業ではあるが、別会社だ。
「おまえなら、知ってんだろ」
「…………」
直江は、すぐには言葉を返さなかった。
やはり、何かを知っているらしい。
PR